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あなたにも「なにか」できる

 

山 本 冨 士
(大阪市西成区)

 

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あなたの「私もなにかできる」このちょっとした心からボランティアは始まります。
昨年1月の阪神・淡路大震災では、様々な職業の方が、それぞれの立場で小学生からお年寄りの方までボランティアとして活躍されました。中には今回が初めてという方も多数参加、多くの方がボランティア精神を身近に実感し、その数延べ1 40万人ともいわれ「ボランティア元年」という言葉が生まれました。そして、ボランティアがこれからの社会になくてはならないものであるという、新しい意識が国民の間に広がっております。 引き続き、現在も仮設住宅などで居住する一人暮らしの老人などの訪問、子供の心の傷を癒すためのケア、被災家屋を実費で修理するため地方から駆けつける大工さんなど、私たちの予想もつかない活動をしていただいており、誠に頭の下がる思いです。
先日、松原市に自らも身体障害者でありながら車椅子を操り、空き缶を集め、売却した代金で車椅子を購入し、同じ境遇の方に長年寄付し続けている女性がいることを知り感動致しました。
今、住みやすく、温かな地域社会を求めて、各地でボランティア活動の輪が拡がっており、ボランティア活動に参加することにより参加者自身何かが変わったように伺っております。
ボランティア活動と一口に言っても多種多岐にわたり前記の災害救援、点訳手話などあらゆる事業があります。
今、私たちが迎えようとしている21世紀は高齢者の世紀と言われており、在宅、移送・介添えなどの福祉ボランティアも今後の社会では不可欠のものとなります。ボランティアの取り組みとして地域・企業・労働組合など団体ぐるみの規模から個人まで様々でありますが、その根底には人との出会いとふれあいや何等かの「かたち」で社会の役に立ちたいとの思いから参加されております。
国際化・情報化の進展、高齢化・自由時間の増大など社会構造の急激な変化の中で、私たち一人ひとりが社会に参加し何ができるのかを考える必要に迫られいるのではないでしょうか。
「きっとあなたにもなにかできます。」

 

 

 

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